認知症日記-249/284[2019/2/28] 明日は、施設に入居
★事実を正確に伝える為には本来ならば総てあからさまに書きたいところであるが、お世話になった介護関係者の方々や近隣の方々の個人情報の問題もあるので固有名詞は架空のものにせざるを得ない箇所があることを最初にお断りしておきます。
2019/2/28 施設入居を決めた理由
2019年12月がそろそろ終わろうとする今、母は特別養護老人ホームに入居中。
2018/7 アルツハイマー型認知症と診断
(前回までの日記は2018/9/中旬)
2019/3 ショートステイに入居
2019/4 有料老人ホームに入居
2019/9 特別養護老人ホームに入居
今日は2019/12/17
何度か書いたけれど、母がアルツハイマー、認知症と診断された後も、
ケアマネージャーさんから「施設利用」「施設入居」を説明される度に
一番、反発していたのは長男である筆者自身だった。
2019年7月に医師から診断されたものの、
その2ヶ月前までは、自宅から待ち合わせの新橋、有楽町などに
自分の足で歩き、電車を乗り継ぎ来られていた。
それがいきなり「認知症」と診断されたといっても、
「老人ホーム」という響きや「介護施設」というカテゴリーが私自身馴染めなかった。
「家族が都内にいるのに施設なんて」
88歳の母を独居させていることに罪悪感を抱きつつも、
たとえ同居したとしても私と妻には仕事がある。
24時間つきっきりでいられるわけじゃない。
それなら同居していなくても、自宅生活で可能な限り介護保険利用による介護サービスを受けさせ、必要な時には24時間いつでも対応する体制、心積もりだった。
万が一、施設にお世話になることがあってもそれは何年か先には、
「そういうことも選択肢として考えなくてはならないかもしれない」程度の
認識だった。
実際、ディーサービスを見学に連れて行った時の母の拒否感たるや凄いものだった。
▲週一回
ディ・スポーツ(筋トレやストレッチだけのディサービス)
▲週一回
ヘルパーさんに来て貰って一緒に調理をして貰う
ことから始めたのだけれど、
・食事が満足に出来ない
・食事を摂ったことを忘れる
・薬を飲み忘れる。重ね飲みしてしまう
・記憶がもたないから約束、連絡されたことにその日ドタキャンしてしまう
・火やガスの付けっ放し
・戸締りを忘れる
・糖尿、難聴、白内障の自覚なく管理が出来ない
等の状況が続き、年末の段階では、
▲週三回
ディ・スポーツ(筋トレやストレッチだけのディサービス)
▲毎日、朝夕の一日2回
ヘルパーさんに来て貰って「配膳」「薬の服用」
をお願いする状態になっていた。
それでも
・頻繁に転ぶ
・ヘルパーさんの介護拒否
・奇怪な言動
・便漏れ
・洗濯、掃除をしなくなっていた
・顔つきが険しくなっていた
・医師は高齢であっても白内障の手術を勧める。失明は怖い。しかしこんな状態で、手術が受けられるわけがなかった
・屋根裏からネズミが家中を這い回る有様を母が見えていない、認識できていなかった
などの状況に陥った。
特に、「ヘルパーさんの介護拒否」は想定外だった。
最初の数日は問題なかった。
しかし、やがて
・ヘルパーさんが配膳する食事を食べない
(食材はわれわれ家族が1週間分を用意し、血糖値が高くならないメニュー、食材、冷凍食品などだった)
・ヘルパーさんに薬を出されても飲まない
「あたしの食べたいものを、食べたい時間に食べる」
「自分で薬は飲めるから、食後に飲む」
そう言い張って言うことを聞かなかった。
転び、頭を打って病院に検査に連れて行くことも一度じゃない。
忘れ物、失くし物は当たり前。
われわれの目の前で起こるすべてのことはもう「正常な生活」を満たしていなかった。
それでも本人はさっぱり覚えていないのだから、われわれがいる時にだけ対処しても限界があった。
「とにかく一度、ショートステイにお預けして、先のことをゆっくりお考えされた方がいいと思います」
ケアマネージャーさんの目には、私が介護鬱になる寸前と映っていた様だ。
続きます (手尾広遠)
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