日記,  認知症

認知症日記-24/59[2018/9/中旬] えっ?白内障もですか!?


★事実を正確に伝える為には本来ならば総てあからさまに書きたいところであるが、お世話になった介護関係者の方々や近隣の方々の個人情報の問題もあるので固有名詞は架空のものにせざるを得ない箇所があることを最初にお断りしておきます。


1. 気遣いと気弱なメール

「私もボケてきたそうで自分で悲しく思っています 御免なさいね毎日自分は正常でいられて幸せと過ごしてきました情けなくてたまりません」
急にこんなメールが来た。

どうしたんだろう。
何かあったのか?

診察の日だった。
いつも通り、朝車で迎えに行き、一緒に通院した。
血圧、脈拍、心臓の鼓動、足の太ももの触診などされるのはいつも通り。

最近の様子を私が母の斜め後ろから先生に向かって話していても、聞こえているんだかいないんだか、ニコニコしたまま聞いている。

先生から何か声かけられると、
「お陰様で元気です」
と言う。

くよくよ暗くなられるよりは良いのだけれども、
10種類の薬を処方されていて、特に、
「これら3種の薬を飲んでいて、この血糖値の数字は・・・
少し高過ぎるんですよねぇ」

糖尿病はそのものが怖いし、認知症状態にも良いはずがない。
10年以上前から指摘されていたことを我々はこの頃知ったわけだが、
一緒にいれば相変わらず、珈琲でも紅茶でもすごい量の砂糖を入れ、
寿司屋へ行けば醤油の量が半端じゃない。

認識がないも甚だしい。
認知症を発症する前から糖尿病に近づいていると指摘されていた筈なのに、
「医者からは何も言われていない」と我々には説明してきた。
実際、血糖値を気にかけている食生活ではなかった。

とにかく、いつも通りの医師との会話の後は穏やかだった。
いきなり夜にきたこのメールの真意は何だろう?

今回の通院は昨晩、確認のメールを入れると、

「そんなに会社休むでいいんですか自分で一人で行って来ますから
お仕事に行かなくて周りの方達に申し訳ないと思います
病人ではないから一人てわ行ってこれますよ」
(原文のまま)

というメールが来た。
誤字、送り仮名のミスは置いておくとして、
「認知症の方でこれだけメールが打てるのが不思議なんですよねぇ」とケアマネージャーさんに言われるくらい、1日に2通3通と同内容のメールが来るという症状はあったにしても、これだけの長いのメール文を打てることがケアマネージャーさんの経験から見ても少ないことらしい。

しかしながら、問題は内容だっった。
この頃は、私や家族が平日の日中に頻繁に実家に行かなくてはならないことが多くなっていたが、普段はそれを不思議とも思わない態度だった。

曜日、息子の年齢、仕事すら忘れてしまったのか、と思うこともあったけれども、昨晩のメールではその気遣いが書かれてあった
さらに、「病人ではないから」って!
病人じゃなければ、病院へ行かないだろ?
薬を飲まないだろ?
この辺がどうにも理解に苦しむ母の言葉だった。
そして、最寄駅から二駅しか離れていないにしても、独りでは行けもしないだろう病院に「一人で行ける」と書かれている。

今までは徒歩圏内の病院だったから独りで通院していたわけだが、
だから
医師から言われたことをちゃんと聞いていなかった、
何の薬を処方されているかさえ理解していなかった、
いま独りで行かせて迷われたりしたら
オタオタするのは我々の方だ

昨日のメールでは、
ここのところ出来ていなかった気遣いの内容、
今日のメールでは、
気弱な内容
いったいどうしたんだろう。

自分が「ボケて」いることを自覚させられる何かがあったのだろうか?

電話して、「どうしたの?」「何かあったの?」
と聞いても、「何のこと?何もないわよ」という返事。
「メールで気弱なことを書いていたじゃない」と聞いても、
「そんなこと書いたかしら」「覚えてない」と言う。

何が何やら・・・

2. 白内障という診断

認知症については月に2回、アリセプトを処方されるだけ

以前は無かった母の言動や、
ディスポーツに通い始めたことなどを詳細に伝えても、
医師は「そうですか」
と答えるだけ。
治療方針は服用を続けることだけだった。

ネットで見つけた病院は院内に眼科医も常駐していた。

常日頃から「こっちの目がよく見えないのよね」と右眼を指す。
「眼科に行きなよ」と言っても、
「これで慣れてるから病院はいい」と拒んできた。

独りじゃ行かないのから、家族が強引に診せるしかなかった。
補聴器の時も、明らかな難聴が始まっていた時から何度も
「補聴器をつけたら」と言っても
「要らない」と拒んできた。

しかし、難聴は普段生活に明らかな支障をきたすし、
だいたい普段からテレビを見る時の音量ボリュームの大きさは近所迷惑なほどだった。

数年前に何も言わずに耳鼻科を探し連れて行ったところ、
「老人性難聴」と診断され、
驚くほど高額な補聴器を買わされたものだった。

それでも「お陰でよく聞こえるようになったわ」と、
家族からすれば劇的に耳が聞こえているようにも思えないけれども、
本人が少しでも聞こえやすくなったのなら、
装着しないよりしていた方が良かった。

普段の人付き合い、道を歩く時などにも難聴では危険と日常生活への支障から判断したことだったが、
後から「難聴は認知症を加速させる」ことを知り、
難聴
糖尿病

認知症を構成する因子を日々増産していたのではないかと思ったものだ。

今回も、独りでは眼科に行こうとしないから、
「見えない」正体は何なのか?
一度診て貰おうと、母に告げずに眼科の予約もしていた。

診断結果は、これまた予想もしない、
両眼とも白内障ですね」
えっ?白内障、両眼?

「右眼は相当酷くて、眼底が白濁してしまっていますので、奥がどうなっているか、ここの検査機械では分からないですね」
「それって、放っておいたら・・・」
「視力で言えば、左が0.6、右眼は0.1も無いです。
いま、お母様はほぼ左眼だけで生活されている状態です。
このままだと、いつか失明の恐れもないとは言えませんねぇ。

失明・・・
「白内障の手術はさいきん、10分とかで出来るとテレビで見た気がするんですが」
「はい、左眼の手術は10分、15分でいけると思います。
ただ、右眼はここまで悪くなると、都内でも何人の眼科医が出来るかどうか、そういうレベルです」

「白内障だって」
「えっ?」
眼科医で検査を受け、目の前に自分の眼底の拡大写真が映し出されて説明を受けながら我々が質問したりしているのに、母の表情が一向に変わらない。
知らない他人の話をしているんじゃないんだよ、あなた自身の眼の話だよ。

「これで十分見えているもの」
「手術しないと失明するかも、って」
「だって見えているもの」

いつもこうだった。
医師が検査をして数値的データをもとに説明しても
「私はどこも悪くない」
いったいぜんたいどこからその言葉が出るのか?

いずれにしろ、手術となれば本人の自覚なしに行うことは不可能だろうし、
じっくり話すしかない。
じっくり話しても本人がどこまで理解してくれるか?

難しい手術なので医師が限られるから手術をするしないに関わらず、どこの医師が受けてくれるか、念の為探してみてくれると言う。

医師が見つかったとしても、改めて精密な検査を日を置いて3回ほど受けてからになるという。
どんなに急いでも年明けかもしれないとまで言われた。
「もう10年早く来て頂いていたら・・・」
眼科医の言葉が耳に残った。

糖尿病
認知症
難聴
白内障

ケアマネージャーさんに話したら、さすがにその4つ同時に持っている方は経験がない、と言われた。

しかし外見上は母はとても元気そうに見える。
しかも本人が
あたしはどこも悪くなくて幸福だ」というのが口癖。

88年も生きていれば、どこかしらがヘタってきても普通のことだろう。
自覚がなくて、「どこも悪くない」と思っていて悪化しないのなら、
それこそそんな幸福なことはないだろう。

しかし、家族としては放ってお聞きにはなれないのだった。

(手尾広遠)


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