日記,  認知症

認知症日記-5/40 2018/7/8〜10 京都からなんとか無事に帰京


★事実を正確に伝える為には本来ならば総てあからさまに書きたいところであるが、お世話になった介護関係者の方々や近隣の方々の個人情報の問題もあるので固有名詞は架空のものにせざるを得ない箇所があることを最初にお断りしておきます。


1. 2018/7/8

 さすがに、家の鍵を失くすとは思わなかった。
鍵は太くて長い赤い紐で結んでいた筈だ。
落としても普通なら気付くだろうと思っていた。
 しかし、耳が遠くてせっかちな性格の母は、鍵をかけながらもう門の方へ身体が動き出すようなことが多い。
 目の前で何かを落としても気づかず、歩き出していることも何度もあった。
私たち家族が拾って、「ほら」と渡しても、「あら、落ちてた?」と意に介さない性格なのだった。
 自分が落としがちだから気をつけようと、(言葉では言うが)なかなかそうならない。
 87歳、来月88歳になって性格は変わらないだろう。

 とにかく仕事の都合がつく7/12に一緒にスペアキーを作って、前よりもさらに太い紐をバッグから外せないように括り付けてしまわないと駄目だ。
 そんなことを想定しながら、夜電話をした。

 今までならたいてい一緒に出かけた後、こちらが帰宅するよりも前にメールか留守電に「今日はありがとう」と入っているのだが、昨晩から翌日の夕方まで何も連絡が来なかった
「昨日はあれから大丈夫だった?」
「なんかね、帰ったらSECOMがね、ずっと鳴り止まないのよ」
「え、SECOMが?どうしたのさ、それで」
「あれからSECOMに来て貰ったの」
「あ、呼んだの?SECOM」
そう、なんだか変な家になっちゃったわよ
今でもこの言葉は忘れない。確かにこう言った。
自分の変化を周囲の変化として受け止めていた言葉なのじゃないだろうか、と後からそう思った。

 SECOMは外出する時にSECOMの機械にキーを指すことで、外出を機械に認識させ、解除しないうちに人影を検知すればアラームが鳴る仕組みだ。
 つまりは、母が落とした鍵は家の鍵のみならず、SECOMの鍵も一緒にしていて失くしたのだった。
 その合鍵は私は持っていなかったから渡せない。
家には合鍵で帰宅したものの、SECOMの鍵はないから解除が出来ない。
SECOMのアラームが鳴る。
当たり前である。
SECOMがきちんと仕事をしただけだ。
 その理屈を母が理解せず、
「なんだか変な家になっちゃった」と表現した。

 とにかくSECOMさんが来てくれ、解除操作をしてくれたわけだ。
疲れを出さぬように、ということと、
来週7/12に一緒にスペアキーを作りに行こうね、と再確認して電話を切った。

2. 2018/7/9〜7/11

 この後、一日置きにメールと電話で様子見の連絡を入れた。
電話。受け答えはちゃんとしていた。
メール。ちゃんと返信もあった。
7/12に一緒にスペアキーを作りに行くから、と毎日言った。
その後、一緒に食事しよう、とも。

(手尾広遠)


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