日記,  認知症

認知症日記-8/43 [2018/7/13〜14] 初めての認知症認定医のいる病院へ


★事実を正確に伝える為には本来ならば総てあからさまに書きたいところであるが、お世話になった介護関係者の方々や近隣の方々の個人情報の問題もあるので固有名詞は架空のものにせざるを得ない箇所があることを最初にお断りしておきます。


2018/7/13

  母は早起きだ。
5時か6時には起きて、庭の掃除したり木々、祖父が育てていた植木に水やりをしたり。
 そういうことは本当に真面目に毎日欠かさずやっている。

 昔の人は感心だ。
自分の肉親ながら植木をいくつも育てていた祖父やそれらを絶やさずにしようという母の、地道な日々の決まりごとを繰り返しせっせと行うのを見るにつけ、娯楽が限られていた昔の人の勤勉さ、真面目さにほとほと感心する。
 そして自分が食事をする際には仏壇にも少し盛った小皿を置いて手を合わせている。
 九州から上京してきて、子育てが終わり、自分の親兄弟、夫、夫の両親を亡くし、東京と九州に少しだけ親戚がいるが、行き来はほとんど無くなった。
 子供たちを介しての交流が主だったのは親戚だけじゃなくて自分の交友範囲も同じだった。

 狭くなったとは言え、同年代の人たちと手芸を通じた集まりで週に一回顔を合わせている。
 そこでは自分で作った鍋つかみ手拭い、布巾、雑巾などを持参し販売している。ほとんどボランティア的な活動だったけれど、父が亡くなってからは母の生活の支えだった。生きている張り合いを感じているみたいだった。

 一度覗いてみたが、販売店といっても高齢者の同年代の人たちが楽しそうにおしゃべりをしていた。
 洋服小物などを作ってくる人たちさえいるようだ。

 プロの作品じゃないにしても、まぁまぁの値段で販売していた。
それでも飛ぶように売れるものでもないだろう。
 後で聞くと、販売所に半分以上ピンハネされて母の手元に渡るのはほとんど布の原価をかろうじて上回るかどうかだった。
 商売としてはブラック。

しかし、そこは高齢者が社会参加する場の提供を主眼としていて、販売所維持費、主催者の事件費などを考慮するとそんなものなのかもしれなかった。

 母は「仕事」と称していたが、長年専業主婦をしてきて、子供が独立し夫を亡くし、形態は「週一回のアルバイト」みたいなものだった。
 それでも自分が作品を作り、自分自身が販売する。仲間も出来る。
社会とのリアルな唯一の接点だった。

 こんなことまでつらつら書いたのは、母は毎週のように自分が縫う布巾、雑巾、鍋つかみの生地、糸、そのほかの道具を買いに出かける
 それでなくても、食材、仏壇のお線香、お歳暮、お中元、何かと細々と出かける。

 何日置きに行くのか、午前なのか午後なのか?
それは我々にはわからないことだった。

 また病院行きを忘れられたりでもしたら、予約を取り直し、会社の仕事の都合をつけて、と段取りのやり直し。
 そもそも「認知症なのか、違うのか」一刻も早く知りたかった。

 たった一日のことだけれど、朝、夕、夜と電話をして、メールをした。
「何の病院?」
何回かに一回はそう聞いてくるが、そこはなんとか誤魔化して、と。
「気をつけてきてね」
どっかに遊びに行くんじゃないんだけどなぁ。

2018/7/14どこへ行くの?

 昨日、しつこいくらい電話とメールで今日の病院行きを確認した。
今朝も、実家に向かう車中から妻に電話させた。
電話、出ないよ
おぉーーー!
それが困るんだって。
こんな朝早くからどっか出かけたか?

「何度もかけてみるね」
何度目だっただろうか、運転していたので覚えていないが、ほとんど実家に到着寸前になって、電話に出た。
「出た」
この時のホッとした感じ。
脱力。
勘弁してくれーーー。
「いま着きますから、いてくださいね」

 我々が選んだ、新しいK病院の建物の正面で母はキョロキョロして、
「なんで、こんなところ。あたしはいつもO病院なのよ」と若干抵抗を示したものの「そこじゃ、認知症を診てもらえないんだよ」と説明するわけにもいかず、「とにかくいいから」と診察を受けさせた。

 問診票は私が書き、待合室で待つ間も、
「どこも悪くないのに」とぶつぶつ言って、機嫌が悪くなった。
そして診察の順番で呼ばれ、診察室に入っても、ブスッとしたままだ。
 我々とも初めてだけれど、問診票を読んで事態を把握しているのか、
先生は明るく、
「はい、脈拍を測らせてくださいねぇ」
血圧を測りましょうね」
「胸の音を聞かせてねぇ」と上着の間から触診。
段々と母は穏やかな顔にはなった。


 母の耳が遠いのをいいことに、
鍵を失くして、スペアキーを作りに行く約束を覚えていなかったことなど、ここ数日の異変を簡単に話した。
認知症なのかどうかを知りたいんです

「はい、そう書かれてありますね。うちではMRI検査が出来ないので、紹介状を書きますね」

3. 認知症認定医のいる病院。え、検査できないの?

えー、ここにMRIがないの?
認知症認定医を名乗っているのだから、てっきりここで検査ができると思っていた。
 今日、認知症かどうかの判断が出るものだとばかり・・・


結局、紹介状をもらった病院は最初に地区最大の病院で半日近く費やすことになるから避けたZ病院だった。
 ここの先生が元Z病院の救急にいた関係で脳神経科の先生にも面識があるとか。サイトにも関連先としてZ病院が書かれていた。
 そんなことなら最初からZ病院に行けばよかった。
 しかも紹介状の宛先の先生はZ病院の常勤ではなく毎週金曜だけの出勤だという。
はぁ・・・結局行けるのは一週間後の7/20じゃないか。

(手尾広遠)


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